外国人講師から英語を習う意義(1)
私たちは、特に「子ども英語」の場合、外国人講師による指導は不可欠だと考えています。
保護者の皆さんはそれぞれ外国人講師に対し、いろいろな観点で期待されていることと思います。
そこで、今日は私たちが考える「外国人講師から英語を習う意義」について書きたいと思います。
・意義-その1
『子どもたちにとって異言語である「英語」を受け入れやすい。』
:通常、幼児・小学生自身には「英語を学ぶ動機」がありません。
まさか幼稚園児が、「将来世界で活躍したいので、ぼくには英語が必要なんだ。」などと思ってオーシャンに来ているわけはありません。
一般的には、お父さん、お母さんが、愛するわが子の将来をお考えになり、いろいろな習い事の中から「英語」を選択され、お子さんも楽しければそれを受け入れ通っていただいていると思います。
学習動機のない純粋な子どもが、日本人指導者だけの空間で英語を学ぶ場合、「どうして日本語を話す相手に英語を使わなければいけないの?」という、いたって素朴な疑問や違和感が子どもに芽生えます。
家庭でお父さんやお母さんが履修内容を確認するため、お子さんに英語で質問しても、お子さんが嫌がったり面倒くさがったりすることもよく起きる事例ですが、これも前述の理由と同じです。子どもには、お父さんやお母さんに英語で返答する必要性が見出せないのです。
外国人から同じ質問をされれば、普通に答えます。
ある意味、子どもの純粋さは正しいと思います。
この点において、私たちは指導者に外国人講師が必要だと考えます。
相手が英語を母語とする外国人だからこそ、子どもたちは「英語のレッスンを受ける」「英語で話す」ことを違和感なく受け入れられるのです。
これこそ、第一に「外国人講師に英語を習う意義」と考えます。
話は変わりますが、突然外国人と会話をしなければならない状況が訪れた時、一般的な日本人の大人ですと、緊張し、ときにはビビッてしまうことがあります。
こうした緊張状態ですと、ますます伝えたいことが英語で出てきません。
大人にとって「言葉の違い」は「言葉の壁」になりがちです。
つまり、大人はある程度の会話力がないと、コミュニケーションそのものを敬遠する傾向にあります。
しかし、思春期前の子どもたちは全く違います。
仮に英語がよくわからなくても、子どもたちにとって、英語や外国人は大いに興味の対象になります。
すぐに打ち解け、何とかコミュニケーションを図ろうとします。
その際、子どもたちは、自然に言葉よりも「社会言語的要素」を駆使します。
「社会言語的要素」とは次のようなものを指します。
・目と目を合わせてにこやかに接する。
・あいさつ(Hello.)や、お礼(Thank you.)、謝罪(I’m sorry.)などが言える。
・身振りや手ぶりを使う。
子どもたちは、生身の外国人と、英語で単純なあいさつや会話ができただけでも、新鮮な感動や喜びを感じます。そして、自分の言ったことを相手の外国人が理解してくれたという実感が、子どもたちの英語学習に対する自然な動機付けにつながっていきます。
担任の外国人講師に、身振り・手振りを交えながら日本語でどんどん話しかけていく子どもたちをよく教室内で見かけます。相手がどの程度日本語がわかるかはお構いなしに挑んでいきます。ときには絵を描いて説明している子もいます。
これこそ、大人にはない子どもたちのすごさです。
子どもたちは「言葉の壁」を乗り越えて、何とか外国人とコミュニケーションをとろうとするのです。
英語力の向上とともに、子どもたちはより多くのことを英語で外国人に伝えていけるようになるでしょう。しかし、その前段階において、子ども自身の中に「外国人(講師)に聞いてほしい、わかってほしい」という欲求が芽生えていることにこそ価値があると思います。
私たちは、これこそ、幼児・小学生時代に外国人講師から英語を学ぶ意義だと考えます。
続きは次回にて。
投稿日:2011/05/01