「幼いうちから触れさせておけば、自然に身につくんじゃないの?」と、お考えの方もおられるでしょう。
児童英語業界にも、そのような宣伝をするところがまだまだ残っています。
たしかに、日本人にとっての日本語、あるいは英語圏の人々にとっての英語など、いわゆる母語については、日常生活での膨大な言語体験を通して、特に意識することなく身につきます。
けれども日本人にとって英語は外国語です。これが母語のように自然に身につくことはありません。
仮に自然に身につくように思えることがあっても、それはいくつかの英単語や決まり文句を丸覚えするレベルにとどまります。そのままの勢いで、たとえば中学レベルの英語までを自然にマスターできるわけではありません。
お子さまの英語学習をお考えいただく際には、まず「自然に身につくんじゃないか」という期待を捨ててください。
結局のところ、これは「楽に身につくんじゃないか」という期待だからです。
甘い期待をぼんやりと抱くことは、本来必要となる努力から目をそらすことにつながります。
では、どうすれば英語が身に付くのでしょうか。答えはシンプルです。
「楽しく学ぶ。きちんと学ぶ。そして続ける。」これしかありません。そして、これは十分に可能です。
まず、「楽しく学ぶ」。子どもたちに必要なのは、レッスンにゲームを取り入れて楽しさを演出することではありません。英語によるコミュニケーションの楽しさを体験させることです。子どもたちの楽しいコミュニケーションの相手として、外国人講師の存在は大きいと言えるでしょう。
そして、「きちんと学ぶ」。水泳でも、ピアノでも、勉強でも、上達するためには、正しい学び方を習慣化することが大切です。英語で言えば、くり返し声に出して練習する習慣を、できるだけ早いうちに身につけること。これが大切です。
最後に「続ける」。多くの子どもたちは、必ずしも英語学習に対して高いモチベーションを持っているわけではありません。子どもたちの上達をいっしょに喜び、そして大いに誉めてあげること。そのようなサポート体制が子どもたちの意欲を高めます。
英語を身につけた人のことを考えてみましょう。彼らの多くは英語の楽しさを知っています。英語をきちんと学んでいます。地道な努力をコツコツと続けています。お子さまの英語学習のモデルとすべきなのは、こういった人たちです。そして、私たちオーシャンの役割は、お子さまをこの軌道にうまく乗せてあげることだと考えています。
ここで外国人から英語を学ぶことの意義を考えてみます。
幼稚園児や小学生は、世界の国々や言語、人々のことをよく知りません。いい意味で予備知識がないのです。ですから、子どもたちは外国人に接しながら、彼らが自分と異なった部分をいろいろ持っていることを自分自身で感じ取ります。
その中で、もっとも大きなものがおそらく「言葉の違い」でしょう。外国人に接することに慣れていない大人の場合、この「言葉の違い」は時として乗り越えがたい「言葉の壁」となって、外国人とのコミュニケーションを阻んでしまいます。
ところが、豊かな感受性を持ち、好奇心にあふれた子どもたちには、この違いは「壁」などではなく、むしろ大いに興味を刺激するものとなります。そして、外国人とコミュニケーションを図ってみたいという気持ちが子どもたちの心の中で自然に芽生えてくるのです。こうして得られた、英語を使ったコミュニケーションに対する新鮮な喜びは、その後の英語学習を支える貴重な原体験となるのです。
英語は学力判定のためにあるのではなく、コミュニケーションのためにあるのだ。この当たり前のことを、英語学習のスタート時に体験的に学んでおく意義は大きい、と私たちは考えています。