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牛乳神話の危険性

参考文献
  自然にかえる子育て(食べ物文化別冊 真弓定夫)
牛乳神話完全崩壊(外山利通)


■学校給食にはなぜ毎回牛乳が出るのか?

給食に当たり前のように毎回出てくる牛乳。パン食のときならまだしも、ご飯のときにもお茶ではなく牛乳が出ます。

勿論一般市民は「カルシウム摂取・成長」のためと疑いもしません。

献立に細心の注意を払っている学校給食なのに、なぜか牛乳だけは当然のようにメニューに加えられます。例えばこれが、毎回必ず紅茶が出るとなれば、皆さんはどのようにお考えになるでしょうか。不自然さを覚えることでしょう。

給食に毎回特定の食品が出てくるのは、極めて奇妙なことです。なぜ牛乳だけが許されるのでしょうか。そもそも牛乳は本当に子どもに飲ませて良いのでしょうか。


■牛乳普及の舞台裏

日本で盛んに牛乳が飲まれるようになったのは、戦後です。GHQ(連合国軍総司令部)の要請で、牛乳・乳製品などの動物性食品の消費促進が推進され、保健所での栄養指導や、病院での粉ミルク育児の指導、テレビ、ラジオ、新聞などでも牛乳普及を促進する報道がさかんになされました。

昭和20~27年の占領期間中、保健所に勤めることのできた栄養士の条件は、乳業の専従栄養士でした。昭和23年には乳業メーカーに「母子手帳」を作らせ、「牛乳(粉ミルク)を飲ませるように」と明記し、カバーには森永乳業、雪印乳業、明治乳業などのコマーシャルが載っていました。

昭和33年に学校給食に牛乳が登場するようになってからは、加速度的に牛乳の消費量が増えていきました。乳業界にとって学校給食は3兆円規模の食材市場であり、保健所も学校も、政府の経済優先の政策に乗せられた感(政治力)は否めません。


■牛乳からのカルシウム摂取は理にかなっていない

「カルシウム摂取のために牛乳を!」というのを長年私たちは鵜呑みにしてきました。「牛乳を飲むと、骨が丈夫になり、栄養のバランスが良くなり、イライラも解消してよく眠れる…」などはよく聞くキャッチフレーズです。しかし、実際のところ、食品に含まれるカルシウムの含有量は、ごま、ひじき、煮干し、干しえびなどの方が牛乳のカルシウム含有量の約10~22倍もあるのですが、これは広く知られていません。


更に、牛乳はカルシウムの含有量が少ないうえに、人間の身体には吸収されにくいのです。特に我々アジア人や黒人の多くは牛乳を分解する酵素(ラクターゼ)を持たない民族です。乳糖を分解する酵素を持たない人間が牛乳を飲むと、下痢をしたり、お腹が張るといった症状が現れます。特にこうした症状が出る人はそもそも牛乳が体質に合わないので、摂取を避ける必要があります。


穀類やイモ類の収穫があまり期待できない寒冷で乾燥した地域に住んでいたため、仕方なく肉類や乳製品を食糧源としてきた欧米人は、6000年以上の年月をかけて離乳期を過ぎても乳糖分解酵素を維持する身体機能を獲得してきました。しかし、このような例は人類としては少数派で、哺乳動物としても例外と言えます。


温暖で湿潤な気候から、米作を中心とする農耕文化を基盤としてきた日本人は、納豆、味噌といった世界に誇る発酵食品を生み、牛乳に頼ることなく、野菜や海産物などから豊富にカルシウムを摂取する身体機能を何千年もかけて身につけてきました。我々日本人には明らかにこちらの方が理にかなっているのです。

近年、牛乳はアレルギー症状の大きな原因の一つであると言われています。牛乳による様々なアレルギー症状(アトピー性皮膚炎、嘔吐、下痢、慢性鼻炎、喘息など)は、体が拒絶していることを示しています。アトピーの子は、まずもって牛乳や乳製品を極力避けるべきです。


更に、牛乳の生産にも大きな疑念があります。

昔の乳牛や、現在でも昔同様の搾乳を行っているモンゴルの牛は、1日に5リットル程度の乳しか出ません。これに対して、現代の日本の乳牛は1日に20リットルから30リットルの搾乳が可能になっています。経済至上主義からこのような状況がつくり出されているのです。

ここで懸念されるのは、消費者の関知しないところで、抗生物質や成長ホルモン、食性に合わないエサなどが投与されていることです。狂牛病が世界的に脅威になったころは、肉骨粉が指摘されました。まさに共食い状態です。異常としか言いようがありません。牛のエサに羊の肉が混入されているケースもあります。

また、近年、牛乳はダイオキシンの主要な摂取源とも言われています。まさに疑惑だらけです。

勿論、安心安全な牛乳を生産している酪農家もありますが、通常こうした牛乳は非常に高価で、市場にも出回りにくく、給食のコストには合いません。


日本の一般的な牛乳は安全のためすべて高温殺菌処理がされています。高温殺菌をすると、タンパク質が変性し、体内での分解吸収が落ちるとともに、カルシウムが不溶性になることにより、体内での吸収が低下し、ビタミンB1、B6、B12、葉酸等も壊れてしまいます。


■牛乳は仔牛のためのもの

哺乳動物は通常離乳期を過ぎるとまったく乳を飲まなくなります。それと同時にラクターゼやガラクトキナーゼといった酵素も体内から消失していきます。これが自然の摂理です。

この点では、日本人は哺乳動物としては極めて正常な状態だと言えます。昔の日本人は、離乳後は乳を口にせず暮らしていました。

牛乳は完全栄養食品ではなく、消化機能が未発達な乳児期の代用食でしかありません。すべての哺乳動物は消化器官の発達に伴い、必ず離乳期を迎え、本来の食性へと向かうものです。


仔牛でさえ、牛乳だけでは育ちません。もし仮に牛乳が完全栄養食品であれば、草を与えず牛乳さえ与え続ければ仔牛は立派に育つはずです。しかし、そんなことをすれば仔牛は死んでしまいます。仔牛にとって理想的な栄養源であるはずの牛乳ですら、本当に必要なのは乳児期だけで、消化機能が発達した後は、本来の食性(草食)に移行しなければなりません。


最後に、牛乳は本来仔牛が短期間に著しく成長するための栄養源であって、仔牛のような短期的な成長をしない人間に向く食材ではありません。


■牛乳が骨をもろくするというパラドックス

牛乳にはリンが含まれています。リンを摂りすぎると血中のリンイオンの濃度が高まり、バランスを取り戻そうとして、骨の中に貯蓄されているカルシウムが溶け出し、この状態が続くと骨粗鬆症(こつそしょうしょう)になります。

カルシウム摂取のために飲んだ牛乳のリンによって体内のカルシウムが失われるというパラドックスが起きるのです。

ちなみに、カルシウムの血中濃度を調節しているのはマグネシウムです。カルシウムの摂取にはマグネシウムを多く含む食品(小麦胚芽、ごま、ゆば、煮干し、のり、昆布、ひじき、小豆、いんげんなど)を摂取することが必要になります。


日本人よりもはるかに多量の牛乳・乳製品を摂取している欧米人に骨粗鬆症や骨折が多いことは、あまり知られていません。

アメリカでは1000万人以上が骨粗鬆症に悩まされ、50歳以上の女性の2人に1人、男性の8人に1人が、骨粗鬆症が原因で骨折しています。アメリカ人はカルシウムの4分の3を牛乳や乳製品から摂取しています。

世界で最も牛乳を飲んでいるノルウェーでの骨折率は、日本の5倍にものぼります。

日本でも、牛乳を飲んでいなかった昔の子どもたちよりも、今の子どもたちの方が10倍骨折しやすいと指摘されています。


牛乳消費に反対しているNPO「責任ある医療を目指す医師会議」(会員数10万人、うち医師は5000人)の代表ニール・バーナードは次のように警鐘を鳴らしています。:

『強い骨を作るのにはかつて信じられていた量より少ないカルシウムで十分であり、カルシウム源は牛乳より野菜や豆類などのほうが優れていることもわかった。人の体内にカルシウムを摂取するのに、牛乳ほど良くないものはない。』


■体力向上と内臓への負担

真弓小児科医院院長の真弓定夫氏は次のように語っています。:

『体格が良いイコール健康ではないのです。日本人は和食からカルシウム補給をし、胴長短足体型によって骨や内臓が丈夫に保たれていました。ところが、わずか40年という短い期間で体格が大幅に変化したために、骨や内臓に負担がかかってついていけなくなっているのです。何百年、何千年かけて、体質や体格が変化していくのであれば、適応できるかもしれないが、数十年の短いサイクルでは、内臓がついていけずに体が変調をきたすのも無理はありません。身長や体重が増えた分だけ、心臓はたくさんの血液を送り出さなければなりません。体重が1キロ増えるごとに主要血管だけでも30メートルが加算されます。その結果、突然死や過労死が増えました。肝臓は以前よりずっとたくさんのものを解毒していかなければなりません。肝炎、肝硬変、肝臓ガンが増えるわけです。昔は腎臓透析をしている人は、ごくわずかでした。今は病院で順番待ちの状態です。』


牛乳や動物性食品には体を早く大きくするためのタンパク質が多量に含まれていますが、その過剰摂取は、身体に大きな負担をかけます。動物性食品の摂り過ぎがよくないことは、知られるようになってきました。しかし、動物性食品である牛乳だけは「飲みすぎてはいけない」と言われることがほとんどないのは不思議です。


厚生労働省が国民の健康管理を目指して「健康日本21」というガイドライン(2000年~2012年)を発表しました。同ガイドラインによると、牛乳と乳製品の摂取は、成人で1日あたり130gとなっています。子どもたちはすでに学校給食で180ccの牛乳を飲んでいます。家に帰ってからも、牛乳やチーズやヨーグルトを食べれば明らかに過剰摂取となります。しかも、子どもは成人とは明らかに体格が違いますから、摂取量には特に気をつけなければいけません。

■牛乳とさまざまな病気

牛乳は仔牛が短期間に急速に育つためのものであり、人間の子どもが育つためのものではありません。離乳した子どもや大人が取るべきものではありません。「乳」には、その種の子どもが育つために必要な成分が含まれています。牛乳には牛の子どもを早く大きく育てるためのタンパク質(カゼイン)が多く含まれていますが、人間の子どもに必要な脳を育てる栄養素は非常に少ないことがわかっています。また、牛乳アレルギーの多くはこのカゼインが原因です。

また、牛乳に含まれるタンパク質など、人間と種が近い動物性の異種タンパクをたくさん摂取するような西洋型の食事をしていると、ガンやクローン病などの難病を発症する可能性が高まるといわれています。

東京大学名誉教授の星猛氏は次のように警告しています。:

『種が遠い野菜や魚中心の日本食を食べている人に比べ、欧米人は難病にかかる割合が30倍以上も高い。』


アメリカの栄養学者T・コリン・キャンベルによれば、動物の乳をあまり飲まないアジア地域では、乳がんの発生率が低く、アメリカはその5~6倍になると言います。

またアメリカの援助プログラムとして粉ミルクが与えられていたフィリピンの貧しい子どもたちの事例では、粉ミルクを飲んでいた栄養価の高い子どもたちに、成長した後に、肝臓ガンの発症率が高かったという調査結果もあります。

乳製品に含まれる脂肪分が、動脈硬化や心臓疾患の原因の一つであることも報告されています。


最近では、糖尿病や白内障の誘引の恐れもあることも報告されています。1970年にリヒターとデュークはヨーグルトを与えたラットの発育を調べ、その全てに白内障が現れ、しかも、若いラットほど早く白内障になったと報告しています。原因は乳糖が分解してできたガラクトースが水晶体に蓄積することによるのではないかと言われています。


日本でも宮崎大学教育学部教授の島田彰夫氏が、牛乳を良く飲む子と飲まない子の視力調査を行ったところ、よく飲む子の方が視力が悪いという結果が出ました。牛乳が白内障や視力低下に関連することがうかがえます。

 
■牛乳礼賛は過去の遺物

牛乳のダイオキシン汚染は米の30倍、芋・豆類の6倍にもなるとの調査結果があります。食物連鎖による生体濃縮の原理があります。例えば、牧草のダイオキシン濃度が1だとすると、牛の体内でそれは約10倍に濃縮され、その乳では約100倍に濃縮されると言われています。

魚でも同じです。大きな魚になればなるほど、水銀含有量が増します。マグロより、ジャコの方が身体には良いのです。

この生体濃縮を最小限に抑えるためには、なるべく食物連鎖の初期段階のもの(野菜や小さい魚)を多く食べることを心がけることが大切です。


最近では欧米でも牛乳を否定する以下のような報道がなされています。

ジョンズ・ホプキンズ大学病院小児科のフランク・オスキー博士:
『牛乳が子どもに欠かせないというのは幻想だ。カルシウムはブロッコリーなど一部の野菜や魚に豊富に含まれており、しかも牛乳と違い脂肪はない。牛乳はそもそも仔牛が飲むもので、人間には全く必要ない。』


タホマ・クリニック院長のジョナサン・ライト博士:
『牛乳はもともと仔牛のためのものです。牛の骨格は丈夫(牛乳は身体を大きくする成分が主体)ですが、脳の機能は人間よりはるかに劣ります。牛乳には脳の細胞をつくる栄養素が足りないのです。』


ベンジャミン・スポック博士(『スポック博士の育児書』第7版)):
『2歳を過ぎた子どもには乳製品を与えず、肉も最小限にして菜食中心の食事を与えるのが好ましい。』


今や世界的に牛乳に対する見方を改める時が来ています。

一部幼稚園や保育園で自主的に給食に牛乳を出さない園が現れていますが、依然学校では毎日牛乳が出されています。

学校給食の改善は、保護者からの働きかけが一番近道です。子どもたちを守るためにも、学校給食の牛乳を見直す必要があります。

さまざまな身体的不調や心の乱れが見られる子どもには、この際、思い切って牛乳をやめて様子をみることをお勧めします。


後記

成長過程のお子さんにとって「食」はとても重要です。また、近年「食」についての安全は消費者の自己判断に委ねられている感があります。今回の「牛乳」に関する内容は現在多数意見ではないかもしれませんが、保護者の皆さんも大切なお子さんのため、食についていろいろお調べになったうえで個々にご判断いただくことをお勧めします。ちなみに私は豆乳は飲みますが、牛乳は一切飲みません。





投稿日:2011年10月24日