中学・高校生のマンツーマン英会話
片岡です。
オーシャン本校(名古屋市西区)では、中学生と高校生の受講者が年々増えています。多くは幼稚園児や小学生の頃から通ってくれている生徒たちですが、中学生や高校生の新入会生もいます。この中高生のクラスで、昨年末より新しい取り組みを始めています。今回はそれについて書こうと思います。
新しい取り組みというのは、中高生に対して毎回10分間、外国人講師と一対一で話をする機会を与えるというものです。従来は外国人が40分、日本人が40分を担当し、外国人のレッスンは4~6名程度でのグループレッスン形式でした。それを昨年末に、外国人との完全マンツーマンを10分、日本人講師のもとでの個別練習を70分、という形に変更しました。
一般的な中高生は、外国人と一対一で話す機会がありません。学校に外国人指導助手が配属されているといっても一対一で話すチャンスは基本的にありません。また、英会話教室に通っている生徒であっても大半はグループレッスンを受けているでしょう。マンツーマンレッスンは費用的にかなり高くなってしまうからです。
しかも改めて考えてみると、この状況はたとえば大学生になっても変わらないのです。英文科に進んだ学生でさえ、自分でプライベートレッスンを受けるなり、語学留学に行くなりしなければ、マンツーマンで話す機会はほとんど得られないのです。
そんなことを考えていたら、やはり「この状況は何とかすべきではないか?」と思えてきました。そしてともかく始めてみることにしたわけです。時間は10分しかありません。けれども年に40回以上、3年で120回以上はこのような体験を与えることができます。試行錯誤しながら、よりよいレッスンの進め方を見つけていこうと思っています。
何よりも目標としているのは、「英語で積極的にコミュニケーションを図る姿勢を育てること」です。これが外国人と一対一で話すことによって得られる一番の成果だと思います。グループレッスンでは、やはり他の生徒の目が気になって、積極的に自分について語ることを躊躇しがちです。それでは会話が盛り上がりません。また発言が特定の生徒に偏ってしまうという問題もあります。
今のところ、マンツーマンの時間を5回くらいずつ終えたのですが、やはり生徒たちには大きなインパクトがあったようです。日本人講師の部屋で個別練習をしていても、自分のマンツーマンの時間が近づくにつれ、英文暗唱がまるで手につかない。それくらい緊張する生徒もいるようです。そして、マンツーマン英会話を終えた生徒からも、いろいろと興味深い反応がありました。
まず、学年によって感想に明らかな差がありました。中1の生徒は「まあまあ通じた!」と割と満足げにマンツーマン部屋から戻ってくるケースが多いのですが、高校生の多くは「全然ダメでした。YesとNoしか言えませんでした……。」と疲労感を露わにして帰ってきたりします。おそらく少しくらいはまともな英語が話せるだろうという自負があった分、現実との落差から受けるショックが大きいのだと思います。
ただこのショックを感じただけでも、マンツーマンの時間を設けた甲斐がありました。結局、留学に行ったりしても、最初は自分の英語の拙さにショックを受けるところから始まると聞きます。その後に奮起をして英語を真剣に学ぼうと決意をした人が伸びるのでしょう。
私にしても例えば電話を切った後、「ああ、あんな風に言えばよかった。どうしてあんな簡単な英語が出てこなかったのだろう。」とガックリくることがよくあります。反対に、覚えた英文をうまく応用して話せた時にはうれしく感じます。英語を学ぶというのは、そういうことの連続なのでしょう。そしてこの種のショックや喜びは、一対一で話さないことにはなかなか得られません。テストの点が悪くて受けるショックとはまったく種類が違うのです。生徒たちにもこのように言って奮起を促しました。
また、「特に話題を思いつかない」という不満というか悩みを口にする生徒もいました。分からないではありません。ただ、英語を話す練習の中には、その場に居合わせた相手と、限られた英語力の中で、何とか楽しく話をする、という練習も含まれると思うのです。厳しい言い方をすれば、何も話題がなく、たとえば「週末は特に何もしませんでした。寝てました。」としか言わない人間とは、誰も話をしたいとは思わないでしょう。この点、生徒たちを見ていると、「何かいい話題はないかな?」と日ごろから考えようとしている様子が見られます。いいことだと思います。
そのほかには、「マンツーマンといっても、結局は先生の質問に答えて、それを先生が英文にまとめてくれて、自分はそれをそのまま反復するだけ。あんまり意味ないし。」と言った生徒がいました。これに対しては、「そのとおり。けれども、自分の英語力を上手に引き上げてくれる英会話レッスンなどというものは、世の中にはない。結局のところ、マンツーマンの時間を有意義なものにできるかどうかは自分次第だ。受け身で学んでいてはダメだという大切なことに気づいたのなら、少しずつ自分から10分間の話題をリードできるようにがんばったらいい。」という趣旨のことを話しました。これは、語学留学でも、学習塾や予備校でも、また学校でも同じことだと思います。もちろん、指導者の側としては、生徒たちの英語力をうまく引き上げてあげようと努力はしているのですが。
一口に英語力と言ってもいろいろな側面があります。発音の勘がいいことも、ニコニコと相手の目を見ながら話せることも、下手な英語を気にせず使えることも、学校のテストでは評価されませんが、それぞれ価値のある能力だと思います。また、人生において英語をどのように必要とするのかも人それぞれであり、それによって必要な力もちがってくるはずです。
「たとえ学校のテスト結果が悪くても、英語に対する興味や自信を持ち続けてよい」ということを普段から生徒たちに伝えてはいるのですが、マンツーマン英会話の様子を見ていると、やはり子どもたちにはいろいろな能力や興味があり、それらを伸ばすためにいろいろな機会を与えることがが大切だなと感じます。


































